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ダブルビン方式

2019/11/05
written by 先田 力哉

先田 力哉

いきなりですが、問題です。 右の写真のように、トイレットペーパーが2つ備え付けられています。 このような時、あなたはどちらを使いますか?

  1. 残りの多い側(写真の場合 左側)
  2. 残りの少ない側(写真の場合 右側)
  3. 体のひねりが少なく済む側
  4. 特に意識していない
  5. その他

ところで、そもそもトイレットペーパーのホルダーが2つあるのは何のためでしょうか?

実は、これは「ダブルビン方式による在庫管理」を実現するためです。

ここでいう「ビン」は「瓶」ではなく、英語の「bin(大きな入れ物)」です。つまり「入れ物を2つ用意して在庫を管理する方式」ということです。

類似する話として、歯磨きペーストの在庫について考えてみましょう。 歯磨きしようとしたら歯磨きペーストが空だったとします。その時に慌てて店まで買いに行くのは避けたいですよね。普通は、そうならないよう、歯磨きペーストの在庫を用意しておくでしょう。

では歯磨きペーストの在庫はいくつ用意しておけばよいでしょうか? 在庫がたくさんあっても置き場に困ります。在庫に手を付けてから、使い切る前に補充できていればよいので、普通の家族なら、未使用の在庫が1つあればよいでしょう。

ではトイレットペーパーの話に戻りましょう。

先ほどの5つの選択肢のうち、もし「1.残りの多い側」を使い続けたらどうなるでしょうか?

2bin01_s.jpg

こうなります。

この状態でトイレに入ったら悲惨ですね・・・。いわば「Wの悲劇」です。WはもちろんWater closetの略です。

一方、「2.残りの少ない側」であれば問題ありません。一方を使い切った時には他方に丸々1本残っているので、その1本を使い切る前に新品を補充すればよいわけです。

「ダブルビン方式」というのは、このように、入れ物を2つ用意しておいて、一方を使い切ったら他方を使い始め、かつ、使い切った方に補充を開始する、というやり方です。片方が使う側、もう片方が在庫側で、それが交互に入れ替わることになります。

もうお分かりのことと思いますが、ダブルビン方式で重要なのは「一方を使い始めたら使い切るまでそちらだけを使うこと」です。逆に言うと、やってはいけないのは「両方を並行して使うこと」です。片方を使い切った時点で、もう片方の残量によって、補充するための猶予時間が決まります。両方を並行して使うと猶予時間が短くなってしまいます。

歯磨きペーストも未使用の在庫があるから慌てずに済むわけで、在庫の方にも手を付けてしまったら意味がありません。

歯磨きペーストの場合にそんなことをする人は少ないと思いますが、2ホルダーのトイレットペーパーの場合は、現実には多くの場合「3.体のひねりが少なく済む側」が選ばれてしまうようです。

下の写真は、ある日の弊社トイレの実際の様子です。

2bin02_s.jpg

あまりよろしくない状況ですね。前後を観察したところでは、やはり「体のひねりが少なく済む左側」が選ばれているようでした。

では、現状、「Wの悲劇」はどのようにして回避されているかというと・・・

2bin03_s.jpg

個室内に在庫が置いてあります(ちゃんちゃん)。

「そういう運用するならそもそも2ホルダーいらないのでは...」という気もしますが、「ダブルビン方式を正しく運用してくれないので在庫を置かざるを得ない」というのが実情でしょう。

ちなみに、デパートなどでは、一方をガードしているケースを見かけます。

2bin04_s.jpg

補充するのが多少面倒で、また装置もいくらか高価な気がしますが、弊社のような「オープン2ホルダー方式」でお客さんに正しい使い方を強要するのは難しいでしょうし、個室内に在庫を置いていたら持っていかれてしまう可能性もありそうなので、仕方のないところなのでしょう。

と思っていたら、北陸新幹線のトイレは、弊社と同じ「オープン2ホルダー方式」でした。

2bin05_s.jpg

左側だけが使われているようで、少なくともこの瞬間はいい感じです。

北陸新幹線の利用者の「民度」が高いのか、たまたま「体のひねりが少なく済む側」が選ばれ続けた結果なのかはわかりません。

この後、左を使い切って右を使い始めて、左が補充された時に、そのまま左側が未使用のまま残るかどうか、が気になるところですが、そうなる前に終点に到着してしまいました。

なお、個室内に別途在庫も置いてありました。在庫をもっていかれる心配は、あまりしていないようです。まあ新幹線ですからね。

以上、トイレットペーパーと民度の関係について考えてみました。

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