ユーザー導入事例

懸案の逆転現象、計画作成時間を大幅に削減
複数人での計画立案もFLEXSCHE Communicatorで実現

山形スリーエム株式会社様 素材

山形スリーエム株式会社

山形スリーエム株式会社

四方を山々に囲まれた山形県東根市。のどかな時間が流れるさくらんぼの里から世界へ、住友スリーエムグループの一翼を担う山形スリーエムは、グローバル企業3M最大級の製造拠点として暮らしやビジネスに付加価値を提供する多彩な製品群を世に送り出しています。

山形スリーエムのグラフィックス製品製造部のアイテム数は約1万、なおかつ在庫前提のため需要予測に基づき、生産スケジュールへの変更も頻繁に。そのためオーダーや工程の時間的な逆転現象も多く発生し、Excel等による簡易なスケジューリングでは限界がありました。

同部では複数のスケジューラを検討し、ベンチマークテストを実施。その結果、採用されたのがFLEXSCHEです。FLEXSCHEの採用により、逆転現象、スケジューリング時間は大幅に削減でき、画面上での管理のしやすさから、同部にとって“なくてはならない存在”となっています。

多品種少量時代における生産計画の効率化に挑む

多品種少量時代が進む中、生産計画は複雑化する一方です。その効率化を図ることは企業の成長と密接に関わっています。「世の中に存在しない製品の開発」を標榜している、世界屈指の多国籍企業3M社(米国)では、5万種類を越える製品を扱っています。3Mのグローバルネットワークの製造拠点、山形スリーエムにとっても多品種少量時代における生産計画の効率化は重要な経営課題の一つです。

1970年、3M製品の日本国内での販売、製造を行っている住友スリーエムグループにおける国内製造拠点として山形スリーエムはスタート。徹底した品質管理、最新の製造ライン、高度に標準化された作業のもと、3M製品の国産化はもとより、海外3M各社へ製品を供給しています。3Mではポスト・イット®製品やスコッチ®粘着テープといった身近な製品のほか、電力、通信、建築、自動車、交通安全、ヘルスケアと、様々な産業分野に対し革新的な製品を提供しています。

新製品導入にも数値目標を設けていて、イノベーションは3M成長の原動力です。その一方でイノベーションを支える製造現場には、短納期、多品種少量生産への要望が日々厳しさを増しています。

「1995年頃、人間系のスケジュール作成に限界を感じてスケジューリングシステムを探しましたが、何千種類の製品をカバーするものは当時、まだありませんでした」と、グラフィックス製品製造部マネジャーの渡辺武士氏は振返ります。

グラフィックス製品製造部で扱っている製品は、サイン・ディスプレイ関連(スコッチカルTM)のフィルム、ビルやホテル、マンションの内装材として使われるデコラティブフィルム(壁装材)、日照調整・飛散防止用ガラスフィルム、また自動車の黒塗装に替わるフィルム、さらに交通標識の反射シート等、多種多彩です。

「当時はExcelでスケジュールを作成したり、作業の標準化等を図ることで対応していましたが、多品種少量 生産が加速する中、人手を中心とするスケジューリングでは限界があります」(渡辺氏)。同部が求めるスケジューリングシステムに時代が追いつくためには10年近い歳月が必要でした。

ベンチマークテストの結果で最終的にFLEXSCHEを選択

渡辺 武士 氏

グラフィックス製品製造部
マネジャー
(製造計画グループリーダー)
渡辺 武士 氏

「デコラティブフィルム(壁装材)だけで500種類以上あります。当部では数千種の製品、1万に及ぶアイテムを扱っており、なおかつ基本的に在庫が前提です。例えば、お客様の欲しい壁装材が在庫切れの状況であれば、お客様の目は他社へと移り、ビジネスチャンスを逃がすことになります。生産は需要予測に基づき行われますが、事業環境の変化により変更も多いのが現状です」と、渡辺氏は導入の背景を語ります。

課題の中で最も頭を悩ませていたのが逆転現象です。同部の高橋健治氏はこう語ります。「多品種少量生産に対応した機械で多層的に製品をつくっていくのですが、同じ機械でも温度や圧力等、製品によって条件は様々です。24時間一週間、止まらずに稼動していますから、ちょっとした手違いでスケジュールが逆転現象を起こしてしまいます」。

例えば、「規定の品質に届かなかった」、「材料の納品が遅れている」、「急遽、要求が変わった」等、様々な要件により、スケジュールに変更が行われます。「頻繁な変更、アイテム数の多さ等から、変更対応へのもれはどうしても生じてしまいます。逆転現象が起きると、人間系のスケジュール管理ではなかなか追いつけません」(高橋氏)。

2004年6月、同部は再びスケジューリングシステムの導入検討を開始します。「資料請求の段階で18社くらい、そこから最終的に3社に絞って各社にプレゼンテーションをお願いしました」と、高橋氏は語ります。採用のポイントについて、高橋氏は「レビューを聞いた段階では、他社の方が評価は高かったのですが、同じデータでベンチマークテストを行ったところ、満足できる結果を出したのがFLEXSCHEでした。またスケジュールの部分だけを求めていた当社のニーズともマッチしていました」と、明かします。

「今から思えば」と、渡辺氏も続けます。「最初に展示会でFLEXSCHEと出会ったときに、FLEXSCHEの担当者の方と話をしたことも大きかったと思います。我々は当時としては先端的なものを求めていましたから、話していく中で考え方が一致しているという印象を抱き、安心感を持ちました」。

その印象は実際に導入を進める中で確信に変わりました。「スケジュールの変更を加えて解答が出るまでに何十分もかかるようでは使えません。瞬時に変更対応が行われるように、製品の組み合わせをコンパクトにする等、段取りテーブルの持ち方を工夫してもらい、また検索ロジックのスピード面でもアドバイスをもらいました」(渡辺氏)。

頻々な変更に対応するためFLEXSCHEの使い方を工夫

高橋 健治 氏

グラフィックス製品製造部
製造計画グループ
高橋 健治 氏

2004年9月、FLEXSCHE採用を決定し、同年11月に納入完了。本稼動は2005年5月。最も苦労した点はデータの移行作業です。「1月から4月は当社の繁忙期にあたります。その中で、業務を動かしながらデータを移行しなければならない点が大変でした。本社のIT部門から2名のサポートを受けて、何とか対応することができました」(高橋氏)。

導入から約半年で本稼動できたことを渡辺氏はこう評価します。「周到な準備をして半年くらいで稼動できたのは、高橋や本社IT部門からの応援スタッフの努力と、フレクシェ社のサポートのおかげだと思います」。同部において所要量計算システムの第二弾が2000年に本稼動し、スケジューリングに必要な部品表やルート等、マスターの整理が終わっていたことも、短期間での稼動の追い風となりました。

FLEXSCHEを核とするスケジューリングシステムは、オーダー管理システム、所要量計算システム等の基幹システムと連携。必要なデータをFLEXSCHEで読み込み、スケジュールを作成し、作業指示書を発行。さらに作成したスケジュールを基幹システムにバッチ処理で投入。製造作業が終了したものは一日一回、作業実績を基幹システムに入れ、FLEXSCHEに取り込んでいます。

スケジュールの範囲は長くて一週間、短くて三日間。FLEXSCHEによる管理は約1ヶ月間です。現場に提示した後も週5、6回はあるというスケジュール変更に対応するため、同部ではFLEXSCHEの使い方を工夫しています。

「まずFLEXSCHEで在庫を見ないようにしています。必要な材料は所要量計算システムで手配するように。現実にはそうでない場合もあるのですが、それらを一つ一つFLEXSCHEに入れてしまうと混乱をきたす恐れがあります。作れる、また作れるという腹づもりできたものだけをFLEXSCHEに入れるようにしています」(渡辺氏)。

製造途中で減損した際も「例えば100作らなければならないところ、50しかできなかった場合、後工程も50に対して製造を続け、不足分の50に対しては新たなオーダーを入れる。原則として次工程は前工程の量に合わせるという仕組みをつくりました。」(渡辺氏)。

現場に提示されたスケジュールはFLEXSCHE上で凍結し、変更がある場合、「現在は手で変更を加えています。その際、作業しやすいようにブロック単位で動かすことができる機能を追加してもらいました」(高橋氏)。

逆転現象が大幅に減少、生産管理面でも効果大

1995年当時、スケジュールシステムで実現したいと考えていたことは、ほとんど実現できました。実際、導入してみた効果について渡辺氏は次のように話します。「最も大きな効果は、逆転現象が以前のように頻繁に起こらなくなったことです。夜間の呼び出しは少なくなりましたし、休みの日の呼び出しもほとんどなくなりました。導入直後、設備が増えたのですが、それでもスケジューリングに関して一人で問題なく対応できています」。

スケジュール作成時間の大幅な短縮も図れました。「従来、スケジュール作成のための入力に手間がかかりましたが、FLEXSCHEを活用することで、必要なデータは一括で自動入力され、自動スケジューリングにより、大幅な業務の効率化を実現できました。今後、自動スケジューリングを思い通り自動化できれば、理想とするスケジューリングシステムになります」(高橋氏)。

生産計画の管理面でも大きなメリットがありました。「生産量が予定に対して少なかった場合、メッセージが表示されるので、どこの作業のオーダーなのか、ガントチャート上で一目瞭然です。非常にわかりやすく、次のアクションもとりやすいです。また作業ビューワもとても便利です。一つのオーダーに対していくつの作業があるのか。特に新製品では一つの串刺しではないものもあったりと理解しづらいのですが、作業ビューワにより視覚的に理解できます。表示も自分達で設定すれば、日付やマシン等で自在に検索可能です。画面上で『次の工程は何か』、『前の工程は何か』を瞬時に確認できるのは大きなメリットです」(高橋氏)。

今後の展開について、渡辺氏は「今回、複数の計画担当者で協調して立案やデータメンテナンス等が行えるFLEXSCHECommunicatorを導入しました。高橋以外にもう一人、二人で分け合って管理できる体制を2008年4月から実施します。スケジューリングシステムは、我々の製造システムの中では頂点に位置付けられるシステムだと考えています。従って周辺システムが機能アップしていく中で、次のスケジューリングシステムの姿が見えてくるのではないかと。とにかく今はなくてはならないシステムです」と、力強く語ります。

課題と導入効果

導入企業概要

山形スリーエム株式会社様

本社・工場 山形県東根市大字若木5500番地
設立 1970年(昭和45年)3月24日
資本金 3億6,000万円
事業内容 反射材製品、内外装飾用接着フィルム、ストライプ用接着フィルム、不織布、研磨剤製品、家庭用ナイロンたわし、コネクタ、電気製品、両面粘着テープ、衣料用断熱素材、光学フィルム、その他製品の製造および研究開発。
URL

https://www.3mcompany.jp/

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